新型コロナウイルスの変異株 その他

WHO(世界保健機構)が「(感染拡大などが)懸念される変異株」に指定している4つの変異株以外にも、まだまだ変異株はたくさんあります。その中で、特に気になる変異株を紹介します。

 

日本由来!?「E484K」の変異株

「E484K」と聞いて、ベータ株やガンマ株にみられる変異でしょと思われた人は、かなり変異株にくわしい人だと思います。ご指摘のとおりですが、実はここで注目したいのは、主な変異が「E484K」だけという変異株です。
ご存じのように、ベータ株やガンマ株の主な変異は「E484K」単独ではなく「N501Y」もあるのが特徴でした。
ところが、「E484K」だけが主な変異という株があり、しかもこの変異株は東京を中心とした関東圏に広がっています。日本では、由来は不明だが、海外から流入したものと考えられていますが、海外では日本が発祥地ではないかとも言われているそうです。
「E484K」変異は抗体やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘されています。

 

神戸で発見された変異株

2021年6月1日、神戸市は、アルファ株がさらに変異したとみられる変異株を確認したと発表しました。3日後、神戸市は、この変異株の陽性者をさらに4名確認したと報告しています。
この株は、アルファ株が持つ「N501Y」の変異に加え、「E484Q」の変異もあるのが特徴です。従来株に比べて感染力が強く、重症化のリスクも高いとされています。
この株は、欧州ではすでに150例報告されていますが、国内では神戸が初めてです。しかし、神戸市の健康科学研究所の飯島義雄氏は、「神戸市では4月以降、ゲノム解析を積極的に行っていたので発見できたと思う。ほかの自治体でも感染者がいるのではないか」と独自の見解を述べています。

 

ベトナムで見つかった変異株

2021年5月末、ベトナムで新たな変異株が見つかったと伝えられました。この株は、アルファ株とデルタ株の両方の変異を持っていたため、「(アルファ株とデルタ株の)ハイブリッド株」として注目されました。
アルファ株、デルタ株といった単体の変異株だけでも感染力や重症化のリスクが増しているのに、そのハイブリッドともなれば、いったいどれだけの脅威になるのかと世界中を震撼させました。
しかしWHOの見解では、これはハイブリッド株ではなく、デルタ株の変異バージョンだとしています。
なお、この株を懸念して、日本政府は、6月4日より、この株の感染が広まっているベトナムとマレーシアからの入国者に対して、入国後6日間は、政府が用意した宿泊施設にとどまらなければならない停留措置を実施しています。