新型コロナウイルスの変異株について 概要②

最近ニュースでよく耳にする「N501Y」や「E484K」という言葉の意味や、新型コロナウイルスの変異株の予防法などについて解説します。

 

どこが変異したかが一目でわかる表記法

新型コロナウイルスの変異株について、イギリス型、南アフリカ型、インド型といった、最初に流行が確認された国名で呼ぶ場合もありますが(差別につながるとしてWHOは国名での呼び方はせず、それぞれギリシャ文字を使うようにしています)、ニュースなどで耳にするのは「N501Y」や「E484K」という、アルファベットと数字を組み合わせた言葉です。
一見すると、何のことだかわかりませんが、こちらの表記は、どこがどのように変化したかが一目でわかる方法なのです。
たとえば「N501Y」は、ウイルスの外殻のスパイクたんぱく質のアミノ酸の501番目が、従来株ではアスパラギン(N)だったが、変異によりチロシン(Y)に変わったことを示しています。
同様に、「E484K」は、484番目が、グルタミン酸(E)からリシン(K)に変わったという意味になります。

 

変異株ウイルスは、3密ではなく1密でも警戒すべき?

新型コロナウイルス感染が流行し始めた頃、主に飛沫感染や接触感染するため、その予防策として「3密を避けて」と言われたのを覚えていますか?
3密とは、密閉、密集、密接でした。
ところが、従来株よりも感染力が強い変異株ウイルスの予防には、もはや3密を避けるだけでは不十分で、1つの密でも感染しやすくなっているとも言われています。
基本的には、変異株ウイルスの予防も、従来株ウイルスの予防と変わらないのですが、さらなる徹底が必要です。
また、飲酒を伴う懇親会、大人数や長時間におよぶ会食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりの「5つの場面」は、感染リスクが高まるとされています。

 

夏場の上手な換気法

新型コロナウイルスの予防には換気が必要です。特に変異株は感染力が高いので、こまめな換気をと聞くけれど、窓を開けてこまめな換気をしていたら、せっかくエアコンで冷やした空気が逃げてしまう。どうしたらいいの?とお悩みの方も多いでしょう。
厚生労働省のHPによると、夏場は熱中症になるリスクが高いので、まずは熱中症対策としてエアコンで室温調整をすることを優先させましょうとあります。同時に、常時換気設備(24時間換気システム)や台所・洗面所の換気扇を作動させて、最小限の換気量を確保するようにとアドバイスしています。また、換気量不足を補うために空気清浄機を併用することも推奨しています。
さらに、夕方以降や早朝など、比較的外が凉しい時間帯に窓を開けて換気すれば、室温の上昇を最小限にでき、一気に室内の空気を入れ替えることができます。
なお、窓を開けて換気する時のポイントは、対角線上にある窓やドア2か所を開けることです。もし2か所開けることができない時は、扇風機を窓の外に向けることで、換気量を増やすことができます。