変異株について まとめ

新型コロナウイルスの変異株について、今わかっている情報をお伝えしてきましたが、参考になったでしょうか?
ややこしい情報も多かったので、カンタンにまとめてみました。

 

主な変異株は4つ

WHO(世界保健機構)が、感染拡大の懸念があるとして認定している変異株は次の4つです。
イギリスで最初に確認されたアルファ株、南アフリカで最初に確認されたベータ株、ブラジルで最初に確認されたガンマ株、インドで最初に確認されたデルタ株です。
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策推進本部の報告によると、それぞれ次のような特性があるとされています。
・アルファ株は、従来株に比べて感染力が1.32倍、重篤度が1.4倍、再感染やワクチンの効果への影響はなし。
・ベータ株は、従来株に比べて感染力が5割高く、入院時の死亡リスクが高い。ワクチンの効果を弱める可能性がある。
・ガンマ株は、従来株に比べて1.4~2.2倍高い。重篤度に影響があるとの証拠はまだない。ワクチンの効果を弱める可能性があり、従来株に感染した者が再感染した事例がある。
・デルタ株は、従来株に比べて感染力が高い可能性があるが、重篤度に影響があるとの証拠はまだない。ワクチンと抗体医薬の効果を弱める可能性がある。
ただし、これはあくまで現時点での情報を基にしており、今後、多くのデータが集まれば、特性情報は更新されていくことでしょう。

 

4つの変異株の日本での感染状況

4つの変異株の感染は国内でも、すでに確認されています。
アルファ株に関しては、国内での流行が拡散しており、すでに従来株と置き換わっているのではないかとも言われています。4月、5月の関西地域での大流行はアルファ株によるものと言われています。
ベータ株、ガンマ株、デルタ株に関しては、検疫時に見つかるケースが多いものの、渡航歴のない人が感染したケースもあり、今後、急拡大する可能性が懸念されています。
特に、専門家の間で注目されているのがデルタ株で、アルファ株に置き換わるのではないかとの指摘もあります。

 

1密回避とワクチン接種で対策を

変異株は従来株よりも感染力が強いものが多いため、感染対策はさらに徹底しなければならず、3密(密閉・密集・密接)ではなく1密にもならないことが重要なようです。
また、変異株はワクチンの有効性を低下させるとの指摘もありますが、とはいえ、ワクチンの効用を無効化するほどではなく、ワクチン接種によってできる中和抗体の量が減るだけです。たとえ抗体量が減っても、ワクチンの効力は十分に発揮できるとされています。
やはり変異株に対しても、従来株と同様に、密回避とワクチン接種を徹底することが予防になるようです。